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「トム・ソーヤーのおうち」We are Tom Sawyer!

ロケットタワー、発射!!

宇宙旅行を夢見てデザインされたロケットタワーも、設置から30年…。老朽化やメンテナンスの事を考え、新しい遊具に入れ替える事となりました。 年長組の子ども達も新しい遊具で思い切り遊んでから卒園してほしい、上の原幼稚園の思い出の1ページとして心に残してほしい、との思いでデザイナーとの話を急ピッチで進めました。


新遊具のデザイン決定

ロケットタワーは平成25年12月に発射(取り壊し)し、2期に分けての工事に取り掛かりました。

ロケットタワーを発射した跡地にやってくるこの遊具。
これはお家? それとも砦? お城のバルコニーにも見える?

煙突も、スロープも、小窓もあって・・・。
新しいようで、どこか懐かしい・・・。

これからの毎日、どんなドラマが待っているかな?

デザイン・設計は「子と場ラボ」さん。
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空と緑に囲まれ、最上階からは世界遺産となった富士山が望める遊具です。
でも、ただ登って降りて、だけではツマラナイ。
当園にある丸太のアスレチックのように、握力や脚力がないと遊びつくせない、恐怖心を乗り越えないと頂上まで行けない、という要素も盛り込んでいます。


愛称は「トム・ソーヤーのおうち」に決定!

応募総数55通、81種類も寄せられた愛称からキーワードをピックアップして、愛称を決定いたしました。

そもそも設計士の安中圭三さん(子と場ラボ)は、架空のキャラクターの家という設定でデザインされました。
その名も『そらじぃもりじぃの家』。
空と森に囲まれた上の原幼稚園には園長と副園長がいる。
では遊具にも空と森を活かした2人分のキャラクターを、という事だそうです。

どんぐりがひとつ置いてあるだけで、「誰が置いたんだろう?」「きっと“もりじぃ”だよ」というやりとりが生まれる。
どんな姿か想像する。
昔の人達が神様や妖怪、空想上の生き物に対して抱いていた畏敬の念を、現代っ子にも持ってほしい。
そんな思いをこの遊具のデザインに込めてくださっています。

ただ『そらじぃ』『もりじぃ』だと、どうしてもテレビ番組の『くもじぃ』や手遊び歌の『トントントントンひげじぃさん♪』を連想してしまう。
“そら”や“もり”が名前や苗字のお友達がいる事もネック…。では別のキャラクターを設定するか、ゼロから考え直すか、という意味でアンケートを取らせていただきました。

家を模しているので、やはり『〜の家』『〜のおうち』『〜ハウス』が圧倒的に多く、次いで園名である『うえのはらの〜』『うえのはら○○』、材料(素材)から『〜の木』『〜の樹』『〜ツリー』『ツリー〜』が続きました。
その他にもたくさんのアイデアをいただき、どれもこれも魅力あるキーワードなので、甲乙つけがたく…。
そんな中でも目を引いたのが『トムソーヤー』というキーワード。
補足には「子ども達が冒険家に扮するイメージで」とありました。
架空で既存のキャラクターなのにどんな顔かどんな背格好かは思い描きにくい。
トムソーヤーが10歳前後のわんぱく少年、という冒険心を駆り立てられる所もポイントで、何人かから挙げられていた『秘密基地』『探検』『わくわく』などの要素も含まれている。

トムソーヤ―に会えるかもしれないドキドキワクワクをいっぱい感じて過ごしてほしい。
トムソーヤーに負けないくらいわんぱくに遊びながら、手がかり足がかりに掴まりながら登り降りする体力と危険を予測し回避する力がいつの間にか身に付く。
部品の組み合わせによってカスタマイズや移設も自由自在。

いかがでしょうか。園とデザイナーと保護者、それぞれの思いにしっくりくる名前ではありませんか?


幼稚園の思いを形に…

平成26年1月と同年5月の2回に分けて設置工事を行い、完成した遊具がこちらです。

「危ないから…!」の後に付け加えるとしたら、保護者の皆様はどんなセリフを選びますか?
「危ないから、やめなさい」でしょうか。
「危ないから、気をつけなさい」でしょうか。

上の原幼稚園では“トム・ソーヤーのおうち”の完成に合わせて、教職員全員で遊具での遊び方についてのミーティングを行いました。

・「登りたい・登れない・登らせて」と言われても手助けをしない。
・「降りたい・降りられない・降ろさせて」と言われても、そう簡単には手助けしない。

この2点の再確認をするためです。
登れる子は降りられる。それだけの身体能力がある。
あとは周りを観察する力・遊び方を工夫する力・挑戦する気持ち次第です。
手助けするのは簡単ですが、手助けした時点で大人は子どもからそれら全てはおろか達成感までもを奪ってしまうのです。

上記のような共通認識をしたうえで解禁日を迎え、そこからの数日間で何人もが転び、何人かが泣きました。
失敗し、擦りむいた子や痣を作った子もいました。
しかしどの子もとてもイキイキとしており、怪我も痛さも忘れて果敢に挑戦していました。
何日目かに最上階まで登れるようになった子も、とりあえず2階部分までで満足している子もいました。
その時に諦めた子たちもとりあえずな子たちも、きっかけさえあれば改めて挑戦しています。
それが“今”ではなかっただけです。

上の原幼稚園には、この「トム・ソーヤーのおうち」に限らず、背の高い遊具がたくさんあります。
既存の『丸太のアスレチック』に『トム・ソーヤーのおうち』が加わり、まるで時代の流れに逆行しているかのようです。
もちろん背の高い遊具はとても危険です。
しかし遊び方さえ間違えなければ、危険は予防や回避が出来ます。
(危険がなくなるわけではありません)
小さい怪我・小さな失敗をたくさんする事でしょう。
しかしそれが大きい怪我・大きな失敗を予測し、回避する力につながるはずです。
もちろん本当に危険な事や他人が嫌がったり傷付いたりする事は止めさせる必要があります。
又、失敗した時に元気づけ、再挑戦する時に勇気づける事も大切です。
その為にも大人はしっかり見守るのです。
保護者の皆様も、先回りや予防線をグッとこらえて、見守ってあげてください。
(目を離してはいけません!)

トム・ソーヤーは10歳くらいの男の子です。
トムは遊びについて、ある考えに至ります。
『仕事(勉強)は人間がしなければならないからする事で、遊びはしなくてもいいのにする事だ』というものです。
これを掘り下げると『誰かに強要されたわけではないけど、自発的にやってみたいと思った事が遊び』となります。
この類の遊びこそ人間が心身ともに成長していく上でとても大切で、きっと豊かな土壌となる事と思います。
時には大人からみて危険な事でも、ある程度の事柄は“子どもの成長の糧”として認めてあげたいものです。